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WESTERN MUSIC ON SHINOBUE

シシリエンヌSicilienne

Gabriel Fauré(1845–1924) ガブリエル・フォーレ
Sicilienne, Op. 78 / シシリエンヌ 作品78

シシリエンヌの絵
トマス・コール『タオルミーナから見たエトナ山』1840年代
作曲
1893年(劇の音楽として)、1898年にチェロとピアノのための曲として出版
原曲の編成
チェロとピアノ(ほかに、管弦楽版もある)
調・拍子
ト短調(中間部はハ短調)・8分の6拍子・Allegretto molto moderato(ほどよく、ゆったりと)
この楽譜
Meg Noah 編 フルートとピアノ(IMSLP、CC0)の旋律から入力し、Hamelle 1898年初版(チェロとピアノ)と照合

楽譜

標準の運指(一=ド)で書いています。笛だけで吹くなら、何本調子の笛でも同じ指で吹けます(鳴る高さは、笛によって変わります)。ピアノやギターと合わせるときは、一 がドに近い笛(目安として八本調子前後。笛によって違います)を使うか、伴奏の調を笛に合わせてください。

楽譜 1ページ目楽譜 2ページ目
⎙笛の楽譜(PDF)A4・2ページ ⎙ピアノ伴奏付きの楽譜(PDF)A4・5ページ ⎙ギター伴奏付きの楽譜(PDF)A4・7ページ ⎙曲目解説(PDF)印刷して、楽譜に添えて
運指の読み方
一 二 三 … 七
呂音(りょおん。低い音)
1 2 3 … 7
甲音(こうおん。一段高い音)。呂と同じ指で、息を強めます
点の付いた 2・3、8
大甲(だいかん。さらに高い音)。8 は大甲のド
数字の右上の ×
半音下げる指づかい(穴の一部を塞ぐ)。塞ぐ量は運指表をご覧ください
赤い ↑ ↓
その音だけ1オクターブ上げて/下げて吹く(笛の音域に収まらない音)
筒
筒音(すべての穴を塞ぐ)

お稽古用の音源

伴奏に合わせて吹くための、コンピュータで鳴らした音源です。「笛の旋律入り」で旋律を覚え、「伴奏だけ」で合わせて吹いてみてください。高さは A=440Hz で、このページの楽譜(標準の運指)と同じ調です。古典調の篠笛では、一 がおよそドの八本調子前後の笛の高さにあたります(笛によって違います)。その笛なら、音源に合わせてそのまま吹けます。楽譜の繰り返しも、そのとおりに演奏しています。

音源
笛の旋律
速さ
合う笛八本調子前後(古典調)一 がおよそドの笛
この音源を保存(MP3)

音源は、MuseScore Studio の音色(Muse Sounds)で、楽譜から作りました。藤舎名玄の演奏ではありません。

作曲者

ガブリエル・フォーレは、南フランスのパミエに生まれました。9歳でパリの宗教音楽の学校に入り、そこでサン=サーンスにピアノを習って、生涯の友となりました。長くマドレーヌ教会のオルガニストを務め、のちにパリ音楽院の院長となって、ラヴェルらを育てています。

派手さよりも、上品で控えめな美しさを大切にした作曲家で、移ろう和音の色合いが持ち味です。代表作に『レクイエム』、歌曲『夢のあとに』、『パヴァーヌ』、『エレジー』などがあります。

曲の成り立ち

1893年、モリエールの喜劇『町人貴族』の上演のための音楽として書かれました。ところが上演は実現せず、この曲は眠ったままになりました。

1898年、フォーレはこれをチェロとピアノの曲に直し、作品78として出版しました。イギリスのチェロ奏者・作曲家、ウィリアム・ヘンリー・スクワイアに献呈されています。

同じ1898年、ロンドンでのメーテルリンクの劇『ペレアスとメリザンド』の上演に、この曲が劇の音楽の一つとして使われました。管弦楽にしたのは、弟子のシャルル・ケクランです。のちに『ペレアスとメリザンド』の組曲(作品80)の第3曲となり、管弦楽の曲としてもよく知られています。

曲調と聴きどころ

シシリエンヌ(シチリアーナ)は、イタリアのシチリア島に由来するといわれる、ゆったりした8分の6拍子の舞曲です。「タッ・タ・タ」と、付点のついた揺れるリズムが特徴で、羊飼いの歌や、のどかな田園の情景に結びつけられてきました。

フォーレのシシリエンヌは、ピアノの静かな分散和音にのって、旋律がソから始まり、ゆっくり上がっては下りてきます。短調ですが、暗く沈みすぎず、懐かしさと上品な哀しみが混じった響きです。中間部では調が変わり、高い音域で明るさと陰りが入れ替わります。

曲の流れ

小節の番号は、このページの楽譜の小節番号です。

小節内容
1〜9主題。ピアノの分散和音の上に、旋律がソ・シ♭・レ・ソと上がり、付点のリズムで下りてくる
10〜21ピアノが旋律を受け持ち、笛は下で支える。主題をもう一度歌ったあと、ピアノだけの間奏
22〜32新しい旋律。上へ上へと高まり、mf〜f の山を、短い句のくり返しで重ねる
33〜43主題が戻る(ト短調)
44〜61中間部(ハ短調)。高い音域から下りてくる新しい旋律。明るい響きと陰りが入れ替わる
62〜6922〜32小節の旋律が戻り、ふたたび高まって静まる
70〜86主題が戻り、結びへ。最後は低いレを長くのばして、静かに消えていく

Meg Noah 編 フルートとピアノ(IMSLP、CC0)の旋律から入力し、Hamelle 1898年初版(チェロとピアノ)と照合