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WESTERN MUSIC ON SHINOBUE

シャコンヌCiaccona (Chaconne)

Johann Sebastian Bach(1685–1750) ヨハン・ゼバスティアン・バッハ
Partita No. 2 in d minor for Solo Violin, BWV 1004 / 無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番 ニ短調 より 第5曲

シャコンヌの絵
作曲
1720年までに(ケーテン時代)
原曲の編成
ヴァイオリン1本(無伴奏)
調・拍子
ニ短調(中間部はニ長調)・4分の3拍子。演奏にはおよそ13〜16分かかる
この楽譜
Mutopia Project(Hajo Dezelski 浄書、CC BY-SA 3.0)の楽譜に、篠笛の運指を付記

楽譜

標準の運指(一=ド)で書いています。笛だけで吹くなら、何本調子の笛でも同じ指で吹けます(鳴る高さは、笛によって変わります)。

楽譜 1ページ目楽譜 2ページ目楽譜 3ページ目楽譜 4ページ目楽譜 5ページ目楽譜 6ページ目楽譜 7ページ目楽譜 8ページ目楽譜 9ページ目楽譜 10ページ目楽譜 11ページ目
⎙笛の楽譜(PDF)A4・11ページ ⎙曲目解説(PDF)印刷して、楽譜に添えて
運指の読み方
一 二 三 … 七
呂音(りょおん。低い音)
1 2 3 … 7
甲音(こうおん。一段高い音)。呂と同じ指で、息を強めます
点の付いた 2・3、8
大甲(だいかん。さらに高い音)。8 は大甲のド
数字の右上の ×
半音下げる指づかい(穴の一部を塞ぐ)。塞ぐ量は運指表をご覧ください
赤い ↑ ↓
その音だけ1オクターブ上げて/下げて吹く(笛の音域に収まらない音)
筒
筒音(すべての穴を塞ぐ)

作曲者

ヨハン・ゼバスティアン・バッハは、ドイツ中部のアイゼナハに、代々音楽家を出した家に生まれました。ヴァイマルの宮廷オルガニスト、ケーテンの宮廷楽長を経て、1723年からはライプツィヒの聖トーマス教会のカントル(音楽監督)を務め、その地で生涯を終えました。

ケーテンの宮廷(1717〜23年)は、礼拝に手の込んだ音楽を用いない改革派の宮廷だったため、バッハはこの時期、器楽曲に力を注ぎました。無伴奏ヴァイオリンや無伴奏チェロのための曲、『ブランデンブルク協奏曲』、『平均律クラヴィーア曲集』第1巻などは、この時期に生まれています。

生前は、作曲家としてよりも、オルガンの名手として知られていました。没後はしばらく忘れられましたが、1829年にメンデルスゾーンが『マタイ受難曲』を蘇演したことをきっかけに、19世紀に再評価が進みました。

曲の成り立ち

1720年にケーテンで清書された自筆譜『伴奏の低音なしの、ヴァイオリンのための6つの独奏曲』(Sei Solo à Violino senza Basso accompagnato)に収められた曲です。ソナタ3曲とパルティータ3曲が交互に並び、重音や分散和音を使って、1本のヴァイオリンで旋律と和声の両方を表すように書かれています。

パルティータ第2番は、アルマンダ、コレンテ、サラバンダ、ジーガの4つの舞曲のあとに、このシャコンヌが置かれています。シャコンヌ1曲だけで、前の4曲を合わせたよりも長く、組曲全体の重心になっています。

シャコンヌは、もとはスペインや中南米から伝わった、3拍子の舞曲です。17〜18世紀には、短い低音の型や、和声の進み方を何度もくり返しながら、その上で変奏を重ねていく形式の名前になりました。

1720年の夏、バッハがケーテン侯の旅に随行している間に、最初の妻マリア・バルバラが急死し、バッハは帰宅して初めてそれを知りました。この曲を、亡き妻への追悼とみる説もありますが、確かな証拠はありません。

ブラームスは1877年、クララ・シューマンへの手紙で、小さな楽器のための1段の楽譜に、最も深い思いと力強い感情の世界を、まるごと書き込んだ曲だと讃え、左手だけで弾くピアノ版を作りました。ブゾーニによる両手のピアノ編曲も、演奏会でよく弾かれています。

曲調と聴きどころ

はじめに示される、ニ短調の重々しい和音の進み(低音がレから下がって、属音のラへ向かう型)が、曲全体の土台です。この4小節を単位に、細かな音符、分散和音、重音などで、60回あまりの変奏が続きます。

笛は1本の旋律しか吹けませんが、バッハ自身が分散和音で和声を示している部分が多いので、旋律の線をたどるだけでも、和声の移り変わりが感じられます。

曲の流れ

部分内容
前半(ニ短調)冒頭の和音の型から始まり、変奏を重ねるごとに、音の細かさと激しさを増していく。細かな分散和音で、和音を1音ずつ鳴らしていく部分が、とりわけ長く続く
中間部(ニ長調)突然、同じ主音の長調に転じ、光が差すように、明るく祈るような響きになる。静かな始まりから、しだいに堂々とした響きへ広がっていく
後半(ニ短調)ふたたびニ短調に戻り、緊張を取り戻して、最後の高まりへ。終わりに冒頭の和音の型が戻り、厳かに閉じる

Mutopia Project(Hajo Dezelski 浄書、CC BY-SA 3.0)の楽譜に、篠笛の運指を付記