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WESTERN MUSIC ON SHINOBUE

白鳥Le Cygne

Camille Saint-Saëns(1835–1921) カミーユ・サン=サーンス
Le Carnaval des animaux, No. 13 / 組曲『動物の謝肉祭』第13曲

白鳥の絵
作曲
1886年2月
原曲の編成
チェロと、ピアノ2台
調・拍子
ト長調・4分の6拍子
この楽譜
タファネル(P. Taffanel)編曲のフルート独奏パート(Durand)から入力し、Durand 1922年初版の総譜と照合。笛だけの版と、第1ピアノの伴奏付きの版がある

楽譜

三本調子(古典調)の笛の運指で書いています。伴奏と同じト長調・同じ高さを吹きます。×の運指は14か所です。小さな数字は、伴奏に合わせるときのメリ・カリの目安です(実測した三本調子の値。笛によって前後します)。ピアノやギターの伴奏は、原曲のままの高さ(A=440Hz)で、そのまま合わせられます。

楽譜 1ページ目
⎙笛の楽譜(PDF)A4・1ページ ⎙ピアノ伴奏付きの楽譜(PDF)A4・3ページ ⎙ギター伴奏付きの楽譜(PDF)A4・3ページ ⎙標準の運指(一=ド、八本調子前後)の楽譜(PDF)A4・1ページ ⎙曲目解説(PDF)印刷して、楽譜に添えて
運指の読み方
一 二 三 … 七
呂音(りょおん。低い音)
1 2 3 … 7
甲音(こうおん。一段高い音)。呂と同じ指で、息を強めます
点の付いた 2・3、8
大甲(だいかん。さらに高い音)。8 は大甲のド
数字の右上の ×
半音下げる指づかい(穴の一部を塞ぐ)。塞ぐ量は運指表をご覧ください
赤い ↑ ↓
その音だけ1オクターブ上げて/下げて吹く(笛の音域に収まらない音)
筒
筒音(すべての穴を塞ぐ)

お稽古用の音源

伴奏に合わせて吹くための、コンピュータで鳴らした音源です。「笛の旋律入り」で旋律を覚え、「伴奏だけ」で合わせて吹いてみてください。高さは A=440Hz で、このページの楽譜と同じ調です。三本調子の笛なら、楽譜の運指で、音源に合わせてそのまま吹けます。楽譜の繰り返しも、そのとおりに演奏しています。

音源
笛の旋律
速さ
合う笛三本調子(古典調)一 がおよそソの笛
この音源を保存(MP3)

音源は、MuseScore Studio の音色(Muse Sounds)で、楽譜から作りました。藤舎名玄の演奏ではありません。

作曲者

カミーユ・サン=サーンスは、パリに生まれたフランスの作曲家・ピアニスト・オルガニストです。幼いころから神童と呼ばれ、10歳でパリでの演奏会にデビューしました。パリのマドレーヌ教会のオルガニストを、およそ20年にわたって務めています。

1871年には、仲間とともに「国民音楽協会」を設立し、ドイツの音楽に負けない、フランスの器楽を育てることに力を注ぎました。代表作に、交響曲第3番『オルガン付き』(白鳥と同じ1886年)、歌劇『サムソンとデリラ』、交響詩『死の舞踏』、『序奏とロンド・カプリチオーソ』などがあります。文学や天文学にも通じた、博学の人でした。

曲の成り立ち

1886年、ドイツへの演奏旅行が不評に終わったあと、サン=サーンスはオーストリアの小さな村で静養し、そこで『動物の謝肉祭』を書き上げました。同じ年の3月、パリでチェロ奏者シャルル・ルブークが開いた、仲間うちの演奏会で初演されています。

ライオン、象、カンガルー、水族館など、14の曲で動物たちを描いた、ユーモアたっぷりの組曲です。ほかの作曲家の曲や、自分の作品をもじった冗談も多く含まれます。サン=サーンスは、真面目な作曲家としての評判に障ることを心配して、生前は組曲の出版と公開の演奏を禁じました。

ただひとつの例外が、この『白鳥』です。1887年にチェロとピアノのための版が出版され、生前から広く親しまれました。組曲全体は、作曲者が亡くなった翌年の1922年に出版され、同じ年に公開の初演が行われました。この楽譜の伴奏は、その1922年の初版の総譜から入力しています。

フルートで吹く版は、パリ音楽院のフルート教授で、近代フランスのフルート奏法の礎を築いたポール・タファネル(1844–1908)の編曲です。また1905年には、振付家ミハイル・フォーキンが、この曲を使ってバレリーナのアンナ・パヴロワのために『瀕死の白鳥』を振り付け、パヴロワの代名詞となる踊りになりました。

曲調と聴きどころ

原曲では、第1ピアノの16分音符の分散和音が、絶え間なく揺れる水面を、第2ピアノの掻き鳴らす和音が、水面にきらめく光を描きます。その上で、チェロがゆったりと長い旋律を歌います。湖の上を、白鳥が静かに滑っていく姿が浮かぶ音楽です。

旋律は、高い音から穏やかに下りてきては、また浮かび上がる、という動きを繰り返します。のばす音の長さと、跳躍のあとの静かな下降が、白鳥の首のしなやかな曲線を思わせます。フルート版では、チェロより1オクターブ高い音域で、より透明な響きになります。

曲の流れ

小節の番号は、このページの楽譜の小節番号です。

小節内容
1ピアノだけで、水面のさざ波を描く(前奏)
2〜9主題。高いソから穏やかに下りてくる旋律。7〜8小節でロ短調の方へ移り、9小節の高いレで大きく息を張る
10〜17中間部。短い句が少しずつ音を下げながら、調を移ろっていく。水面に雲の影が差すような、揺れる部分。17小節で元の調へ戻る準備をする
18〜20主題が戻る(2〜4小節と同じ音)
21〜25高いシを1小節のばしたあと、mf で少し高まり、だんだん静まる。25小節で速さをゆるめ(Rit.、Lento)、ためをつくる
26〜28a tempo、pp。高いソを長くのばす間に、ピアノが高い音域で光のように揺れ、白鳥が遠ざかるように消えていく

タファネル(P. Taffanel)編曲のフルート独奏パート(Durand)から入力し、Durand 1922年初版の総譜と照合。笛だけの版と、第1ピアノの伴奏付きの版がある