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WESTERN MUSIC ON SHINOBUE

アンダンテAndante

Johann Sebastian Bach(1685–1750) ヨハン・ゼバスティアン・バッハ
Sonata No. 2 in a minor for Solo Violin, BWV 1003 / 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番 イ短調 より 第3楽章

アンダンテの絵
作曲
1720年までに(ケーテン時代)
原曲の編成
ヴァイオリン1本(無伴奏)
調・拍子
ハ長調・4分の3拍子
この楽譜
Mutopia Project の楽譜の、旋律の声部に篠笛の運指を付記

楽譜

八本半上調子・七本半調子・八本調子(古典調)の笛の運指で書いています。原曲と同じハ長調で、1オクターブ上を吹きます。×の運指は20か所です。一 の高さが近い七本半調子・八本調子でも、同じ指で吹けます。笛の高さは気温や湿気で変わるので、季節やその日の笛の調子によって、音源と合う笛を選んでください。小さな数字は、音源に合わせるときのメリ・カリの目安です(実測した八本半上調子の値。笛によって前後します)。

楽譜 1ページ目楽譜 2ページ目
⎙笛の楽譜(PDF)A4・2ページ ⎙標準の運指(一=ド、八本調子前後)の楽譜(PDF)A4・2ページ ⎙曲目解説(PDF)印刷して、楽譜に添えて
運指の読み方
一 二 三 … 七
呂音(りょおん。低い音)
1 2 3 … 7
甲音(こうおん。一段高い音)。呂と同じ指で、息を強めます
点の付いた 2・3、8
大甲(だいかん。さらに高い音)。8 は大甲のド
数字の右上の ×
半音下げる指づかい(穴の一部を塞ぐ)。塞ぐ量は運指表をご覧ください
赤い ↑ ↓
その音だけ1オクターブ上げて/下げて吹く(笛の音域に収まらない音)
筒
筒音(すべての穴を塞ぐ)

お稽古用の音源

笛の旋律を、コンピュータで鳴らした音源です。高さは A=440Hz で、このページの楽譜と同じ調です。八本半上調子・七本半調子・八本調子の笛なら、楽譜の運指で、音源に合わせてそのまま吹けます(音源の笛の旋律は、1オクターブ下で鳴っています)。繰り返しは省いて、1回通して演奏しています。

速さ
合う笛八本半上調子・七本半調子・八本調子(古典調)一 がドに近い笛。季節によって選ぶ
この音源を保存(MP3)

音源は、MuseScore Studio の音色(Muse Sounds)で、楽譜から作りました。藤舎名玄の演奏ではありません。

作曲者

ヨハン・ゼバスティアン・バッハは、ドイツ中部のアイゼナハに、代々音楽家を出した家に生まれました。ヴァイマルの宮廷オルガニスト、ケーテンの宮廷楽長を経て、1723年からはライプツィヒの聖トーマス教会のカントル(音楽監督)を務め、その地で生涯を終えました。

ケーテンの宮廷(1717〜23年)は、礼拝に手の込んだ音楽を用いない改革派の宮廷だったため、バッハはこの時期、器楽曲に力を注ぎました。無伴奏ヴァイオリンや無伴奏チェロのための曲、『ブランデンブルク協奏曲』、『平均律クラヴィーア曲集』第1巻などは、この時期に生まれています。

生前は、作曲家としてよりも、オルガンの名手として知られていました。没後はしばらく忘れられましたが、1829年にメンデルスゾーンが『マタイ受難曲』を蘇演したことをきっかけに、19世紀に再評価が進みました。

曲の成り立ち

1720年にケーテンで清書された自筆譜『伴奏の低音なしの、ヴァイオリンのための6つの独奏曲』(Sei Solo à Violino senza Basso accompagnato)に収められた曲です。ソナタ3曲とパルティータ3曲が交互に並び、重音や分散和音を使って、1本のヴァイオリンで旋律と和声の両方を表すように書かれています。

ソナタは「教会ソナタ」の型にならい、遅い・速い・遅い・速いの4つの楽章でできています。第2番は、グラーヴェ、フーガ、アンダンテ、アレグロの順で、このアンダンテは3番目の、ゆったりした楽章です。

曲調と聴きどころ

イ短調のソナタの中で、この楽章だけが、平行調のハ長調で書かれています。厳しく入り組んだフーガのあとに、ほっと明るい光が差すように始まります。

ヴァイオリンは1本ですが、上の声部で長く歌う旋律と、下の声部で一定の8分音符を刻む伴奏とを、同時に弾くように書かれています。低音の伴奏にのって、独唱者がアリアを歌う姿を、1人で表しているのです。

旋律は、長くのばす音と、細かく飾る音とが交互に現れます。のばしている間にも、下の伴奏が刻み続けるので、時間が静かに流れていく感じがします。前半と後半を、それぞれくり返す二部形式です。

笛では伴奏の声部は吹けないので、この楽譜では、上の旋律の声部に運指を付けています。下の8分音符の刻みを、心の中で感じながら吹くと、旋律の間(ま)が生きてきます。

Mutopia Project の楽譜の、旋律の声部に篠笛の運指を付記